職人文化人類学

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金髪オンナの里帰り in デコ屋敷 大黒屋

2018/9/6 職人文化人類学の実践 Writer:仕立屋と職人 イシイとワタナベ

witter:ワタナベ

久しぶりに記事を書くような気がする…
この夏、仕立屋に武者修行(インターン)に来ているKAZU
記事を「職人のリレー」を執筆している為、
わたくし、書いておりませんでした。

というのは、表向きで、
蚕の記事がひと段落してしまった為
ただの燃え尽き症候群です。

そんなあたしの8月は
各所巡業に行ってネタ集め&布教活動に勤しんでおりました。

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おおおおおおおお!!!
今がチャンスだっ!!
大黒屋に行こうっ!

ということで
大黒屋当主橋本彰一さんに
「明日行きます!」
とメールを一本送りつけ、車に乗り込み、
福島県郡山市 デコ屋敷本家大黒屋へ、いざっ。

気がつけば会いに行ったのがちょうど一年前…
↓写真は2017年8月に大黒屋で開催されたビアガーデンの様子。
(左から 参謀古澤、装飾石井、橋本彰一氏、縫子ユカリ)

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古澤は顔が幼いw
石井の顔がまだ やつれてないw
彰一さんのパンプアップされた腕の太さw
あたし、全体的にハリがあるw
1年とは過ぎてしまうとあっという間ですが
確実に月日が経っているのですね。実感。

よくあたし達の投稿に登場する大黒屋

もはや、大黒屋との出会いが
「仕立屋と職人」を発足したと言っても過言ではない。

きっと、かっこよく言うなれば
人生のターニングポイントとなった場所。

きっかけは石井がロンドンから帰って来て
郡山アーティストレジデンスに参加していたところへ
あたしがスーパー助っ人ガールとして参加し、
(20代だったからあたしの中ではガール期間…)
その間大黒屋の古民家に滞在して、
開催期間中に参謀 古澤が遊びに来るという
何ともミラクルな出会いが雪崩のように起こったのです。

その時に彰一さんの作業着を制作することになり
あたしと石井が大黒屋に弟子入りして
張子職人とは何なのか、
張子職人の目指す世界は何なのか、
とかとか。

現場でしかわからないことを
生活を共にして体感するという、体張ってリサーチ。
何とも体育会系なノリですね。

酉の干支の張子を作っているから
2016年の末頃の写真ですね。↓
この時、金髪じゃない。まつ毛が重そう…

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そこから大黒屋のみなさんとの繋がりが始まり、
いつも滋賀で台風が来たりニュースに出て来ると
「大丈夫?」
とみんなが安否確認連絡をしてくれるのです。
もうこれは、実家です。

中田英寿さんのREVALUE JAPAN
LEXUS NEW TAKUMI PROJECTOに取り上げられたりと、
当主の彰一さんは日々大忙し。

そんな現場を支えて、守っているのが
あたしの愛する職人達。

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いつも行くと
「いつまでいるの?」
「最近こういうのつくってるんだ」
「もう帰っちゃうの?」
「次はいつ来るの??」

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待っていてくれる人たちがいるということは
こんなにも嬉しいことなのかと…
あたしはこの状況を『愛の椀子そば』と言いたい。

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大黒屋の現在の当主橋本彰一さんは
な、な、なんと!21代当主!!!
300年以上の歴史を持つ大黒屋は
木型に和紙を張って人形を制作する張子をつくっています。
三春張子、お面、十二支、ダルマ、などなど…

↓ご覧の通り、ここ高柴ダルマは
頭が四角くて、イカツイ顔、カラフルな色彩
他の地域では見ない形をしているのです。

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300年以上も歴史を持つ大黒屋だからこそ
彰一さんの未来に対する思いは熱いのです。

張子とは「張って子が生まれる」こと。
これはずっと張子職人の先輩達に教えてもらってきたこと。
だから、これを大事にしている。

でも、張子職人として、
まだ見ぬ張子の可能性を見つけ出していきたい。
プライドを削ぎ落とすことがプライドで、
「こうでなきゃ」(既成概念的な自分の当たり前)を
捨てることで、張子職人としての可能性を広げていきたい。

と。
過去ー現在ー未来 をいつも意識している。
そして、いつも全力疾走な彰一さん。

仕立屋と職人は大黒屋と一緒に
張子の未来の形に絶賛挑戦中です。

作業着をつくったことをきっかけに始まった、
「置く張子」から「身につける張子」計画。
今の生活の中でどうあたし達の生活の中に
張子を落とし込めるのか…

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実はこの企画、来月発表いたします。
福井県鯖江市で開催される
体験型マーケット「RENEW」で販売することになりました。

それに向け、ただいま猛烈製作中。
是非、大黒屋の未来を見に来てくださいな♡

RENEW
■ 「まち/ひと/しごと Localism Expo Fukui」って?
「まち/ひと/しごと Localism Expo Fukui」は、ものづくり・食・教育・福祉・コミュニティ・IT・防災といったキーワードを軸に、全国各地でアクションを起こす21の出展者が福井に集う、4日間限定のショップ型博覧会。MARKET、WORKSHOP、EXHIBITION、TALK EVENTの4つのコンテンツを通じて、全国の様々な領域の取り組みを深く知り、体感することができます。
活動に取り組む当事者から直に想いやストーリーを聞くことで、県内外の人々がこれからの地域のあり方、暮らしのあり方を捉え直す4日間です。

開催日時:2018年10月18日(木)-21日(日)
会場:うるしの里会館(福井県鯖江市西袋町40-1-2)
出展者:graf / Hana道場 / HATCHi 金沢 -THE SHARE HOTELS- / hickory03travelers / HUMORABO / Next Commons Lab 加賀 / NPO法人Co.to.hana / TRUNK DESIGN / XSCHOOL / うなぎの寝床 / シーラカンス食堂 / MUJUN / パンと日用品の店 わざわざ / 一般社団法人防災ガール / 熊本地震ブルーシードプロジェクト / 山の形 / 仕立屋と職人 / 中川政七商店 / 東シナ海の小さな島ブランド社 / tokyobike / HAGISO / ハタオリマチフェスティバル / 合同会社RDND(アール・デ・ナイデ)

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と、宣伝を挟みつつ…

あたし達にとって大黒屋は
特別な場所で特別な人たちなのです。
そして『愛の椀子そば』攻撃を喰らえる最高な空間。

そんな今日は大黒屋の愛の椀子そばの話と
21代当主彰一さんの未来への挑戦
金髪オンナの実家が増えて行く話でした。

嗚呼、夏が終わってしまった…

デコ屋敷 大黒屋 info
http://dekoyashiki-daikokuya.co.jp/puppet_master/
福島県郡山市西田町高柴字舘野163
024-981-1636

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