金髪女が行く!〜仕立屋と二万頭の蚕とシックスセンス〜3日目
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※記事が進むにつれ拡大蚕の写真が出てきます。
虫が苦手な方は気合いを入れてご覧ください。
あたし的には愛おしく可愛いので掲載させていただきます。
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【過去の観察記録】
金髪女とヒゲロン毛が行く!〜仕立屋と二万頭の蚕達〜1日目
金髪女が行く!〜仕立屋と二万頭の蚕達と空海〜2日目
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梅雨になりましたね。
冬と同じくらい苦手な季節です。
洗濯物が乾かなくて叫びたくなります。
二万頭の蚕達、順調に成長しております。
桑の葉を千切らず茎についたままご飯を食べるようになりました。
自力で美味しいところまでたどり着けるということです。
最初会った時は小さな木箱の中にみんなで密集して
まるでチリメンジャコのようだったのですが、
もう、チリメンジャコには見えません。
蚕達の生活スペースもドンドン広がっております。
10円玉を超えてきております。
上の写真は6月6日の蚕。
下の写真は6月1日の蚕
一週間経たずに3cm超えです。
ご飯を食べている様子を見ていると
葉っぱの中心からモシャモシャと食べます。
フレッシュでジューシーな桑の葉を味わえるのでしょう。
雨の降る音が周りに響いていても、蚕に耳を近づけると
「モシャモシャ」と桑の葉を食べる音が聞こえてきます。
一生懸命食べてて、ああああ、可愛い。
フニフニしてて、あああああ、可愛い。
(蚕を触るあの気持ちいい感触をそのまま商品開発したら
絶対ヒットすると思うんだけどな…
梱包材のプチプチをプチプチしたくなるのと同じで
蚕のフニフニをいつでもどこでもフニフニできるという…
どうですか!?タカ○トミーさん!!)
前回の記事で空海の話から絹弦の話をしたのですが、
その止まらないあたしのパトスの続きを…
仕立屋の作業場があるのは滋賀県長浜市の木之本町という
琵琶湖のかなーり北に位置するところです。
冬はうちの畑がゲレンデになります。
電車は一時間に一本です。乗り遅れたら悲劇です。
でも電車の中にはトイレがあるので二日酔い乗っても安心です。
移住前、視察の時に絹の弦をつくっている
丸三ハシモトさんにお会いしたのです。
↓多分2017年の5月頃のはず…
その時の話していただいた言葉が忘れられず、
その言葉を聞いたから今此処にいると言っても
過言ではないでしょう。
「ただ弦というものだけをつくっているわけではない。
この弦を使ってプロの三味線奏者がいる、
その先には歌舞伎といったような日本の文化がある。
自分たちが最高のものをつくらなければ
その文化自体がなくなってしまう。
だから文化を守るために弦をつくっている。」
と。
シビレル!!
カッコイイ!!
あたしが長浜を選んだ理由です。
蚕がつくった繭が音楽を生み、文化をつくりだしている。
音楽だけではない。
浜ちりめん、輪奈ビロード、網織紬といった洋服の素材にもなる。
化学繊維の一番最初の開発理由は絹のような素材をつくるためだった。
ゲノム研究が進み、ワクチン等医療関連品になったり、
絹の成分が人の肌に良く、美容関連商品があったり…
と、蚕は様々なものに変容する。
卑弥呼が魏に送った物の中にも絹があった。
その時代に、なぜ絹が良いのかという成分分析ができたわけではない。
それでも、その時代から絹は特別なものという認識をされていたのだ。
良いと感じることの後に理由と分析が勝手についてくる。
あたし達が想像している以上に
人間の感覚を震わす力を蚕が持っている。
今日は蚕がシックスセンスを響かせている!
という、話でした。
ハシモトさんは弦をつくっているだけではなく
和楽器奏者が演奏できる場をもっと増やしたいという活動もされています。
もし、今度どこかで和楽器を演奏している場面と出会ったら
この話を思い出してもらえると嬉しいです。