職人文化人類学

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金髪女が行く!〜仕立屋と二万頭の蚕達と試食〜4日目

2018/6/7 職人文化人類学の実践 Writer:仕立屋と職人 イシイとワタナベ

witer:ワタナベ
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※記事が進むにつれ拡大蚕と密集蚕の写真が出てきます。
虫が苦手な方は気合いを入れてご覧ください。
あたし的には愛おしく可愛いので掲載させていただきます。
といいますか、絹がこれなんだ!という現実を是非見てください。
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昨日は寒かったのに、今日は真夏の暑さです。
蚕たちにはとても暑いでしょう。
昨晩は寒くて蚕たちの宿にストーブを入れていました。
こんなに寒暖差が激しいと蚕たちの体調が心配になります。

そして、昨日よりみんなサイズアップしています。
今日も必死に生きている。

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(え?昨日の写真と差がわからない?
いやいや、確実に一日一日大きくなっています。
ほら、よく見て。今日も愛おしい。今日も気持ちいい。)

朝、一面に敷き詰められた桑の葉はこんなになくなるのです。
手前の蚕なんてカメラ目線してくれてます。
ありがとう。

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この蚕たちの上にまた新鮮な桑の葉を乗せます。

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毎日見ていると、桑の葉が美味しそうに見えるのです。
みんな勢いよくムシャムシャと食べていたら、
あたしも食べてみたくなりました。

ということで、食べてみました。

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やっぱり、新芽の方が美味しいのかな、
と思い、新芽の葉を一枚、あたしもムシャムシャと。
食べたのは上の写真の緑が薄いところです。

ハードな味を想像していたら全くそんなことなく、美味しかったです。
青臭くもなく、後味はさっぱりしています。
感触としてはちょっと筋っぽいという感じ。
何っぽいという例えができない語彙力の乏しさ…
なので、機会があったら食べてみてください。

これ、ちょっと濃い目に味付けしたら、
つまみにいけるのではないか…と思っております。

ご馳走様でした。

後から話を聞いたら、
この桑はお茶の葉にも使う種類だったようです。
そりゃ、美味しいはずです。

桑は「クワバラクワバラ」の言葉の語源の桑原です。
(今時あまり言わないのかな…)

・落雷を防ぐために唱えるまじない。
・嫌なことや災難を避けようとして唱えるまじない。
死後に雷神となったという菅原道真の領地桑原には落雷がなかったところからという。また、雷神が農家の井戸に落ちて農夫にふたをされてしまったとき、雷神が「自分は桑の木が嫌いなので、桑原と唱えたなら二度と落ちない」と誓った、という伝説によるともいう。
(デジタル大辞泉より)

昔から神聖な場所という認識だったようです。
蚕は桑がないと生きれないですからね。

毎回、蚕ルームを出るときに人が歩いたところを消毒します。
柄杓で入れているのが消毒液です。
石灰を水に入れ、その上澄みをすくって入れています。

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靴の裏とかに悪い奴らがくっついていて
それが蚕に感染してしまったら、
この子たちは全滅です。

それをちゃんと消毒して、蚕を守っています。
こうやって、手厚く育てられているのです。

という、今日は桑の葉が美味しかった話と
みんなに蚕は守られている話でした。
最近、ボリューム多めな記事だったので
今日はさっぱり目で締めたいと思います。

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