職人文化人類学

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【100年の機屋タケツネに弟子入りします。】 〜先輩職人、川崎さん編〜

2019/8/5 職人文化人類学の実践 Writer:仕立屋と職人 イシイとワタナベ

witter:ワタナベ

機織りを教えていただいている、川崎さんです!
なんと、機織り歴55年というスーパーミラクルベテラン職人です!
そんな、凄い方の弟子にさせていただけて光栄です。みんなに自慢したい。

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川崎さんの手捌きは早すぎて見えません。確実な技を繰り出すかっこいい職人です。

糸の扱い方は、まるで川に入って、流れている水の中からヒョイと「欲しい石はこれでしょ」という感じで、糸一本をすくい取ります。
(伝わりますか…?この表現…凄いということを伝えたい!)

「糸道を見る」という言葉が機屋の中では昔からあるそうです。
糸一本を見極める事が出来て、糸一本を扱う事ができる事ができる。
織り工(機織りをする人)にはその技術が必要だそうです。
正に川崎さんは糸道を見てお仕事をされていました。

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先日の記事でも書きました、織機の動きを操作する、川崎さんが右手に掴んでいるレバー。
川崎さんは織機の動きのリズムが体に刻み込まれていかのようにレバーを操り、織機を巧みに動かします。

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最初に、緯糸の替え方を教えてもらいました。
緯糸が無くなったら新しい糸に変える。
それは機織りの最初の最初の最初の一部分でしかありませんでした。

知れば知るほど、やればやるほど、難しさと楽しさがわかってきます。

絹糸の扱い方、天気を見て織る事、織機との心の通わし方…
川崎さんに「織機を扱うのも糸を触るのも難しいです…」と言ったら、
やり方は自分で見つけていくしかない。人に言われてもわからないから。」と。

その通りです。
やってみないと何が難しいのか、何が楽しいのかわかりません。
川崎さんがササッとやっている事を、真似てみても全くできません。
何度も繰り返さないと体が動かない。頭で考えるより体が覚えなくては、機織りは出来ません。

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やればやるほど、出来ない事が何なのかが見えてきて、わたしの心は燃え、

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川崎さんに色んなことを教えてもらい、発見がある度に毎回わたしはこんな顔をしています↑

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わたしの仕事を見守ってくれるカワサキさん。
何かあると瞬殺で川崎さんの手がシュッと現れます。
わからない事があると、織機が動いている中、「カワサキさーーーん!」とわたしが呼ぶと、
織機の音がどれだけ大きく鳴り響いていても振り向いてくれる。素敵で温かい職人です。

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「弟子入りはいつまで?」「来た時は顔出してね」
「どこ行っても(各工程で)褒められるね、あんたの人柄や。」

そんな、川崎さんの言葉に胸が熱くなり、弟子入りできたことを最高に幸せと感じました。
機織りという仕事が知るほどに魅力的に感じたのも、川崎さんに教えてもらえたからだと思っています。

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川崎さんは織機のことを「相棒」言っていました。
長年機織をしているからこそ機織の怖さもわかる、と。

機織という技を追求してきたからこその言葉がそこにはありました。

川崎さん、ありがとうございましたっ!!!
まだまだ、あたしの弟子入り記事は続きます。

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