職人文化人類学

サムネイル

【広島行脚2人目】岩瀬商株式会社 代表取締役岩瀬茂揮さん「染料屋では狭い!」

2021/8/24 職人行脚 Writer:仕立屋と職人 イシイとワタナベ

広島行脚2人目です!!
革職人兼福山の観光大使(私が勝手に命名)の三島さんにご紹介いただいた、岩瀬商店株式会社の代表取締役岩瀬茂揮さんに会いにいきました。

大正5年に染料の卸売業として創業し、現在は染色体験のできる「ソメラボ」や染め直しサービスなど様々な形態で染料の提供を行い、色に関すること全て扱うカラーカンパニーとして運営している岩瀬さん。

福山を含む備後地域は、デニムの製造で有名な繊維産業のまちです。繊維にまつわる会社の一つが岩瀬商店です。岩瀬商店は「明るい生き残り戦略」を掲げ、染料屋の域を超えた活動をしており、最近では地域企業間連携を進めるべく、広島県内の事業者の方達の旗振り役としてプロジェクトを組み立てるという、パワフルな動きを見せています!

これまで川上の製造者である職人に主にお会いしてきたのですが、今回は卸業を主軸としている会社で、つくり手というより伝え手に近い存在になります。

そんな岩瀬さんに「地域密着の事業者としての生存戦略」について話を聞きました。

画像1を拡大表示

「時代に応じて、お客さんに必要とされる仕事に変化させる!」
〜岩瀬商店株式会社 代表取締役岩瀬茂揮さんのお話。〜

「変えてはいけないことはない!」

会社を運営していく上で、「変えてはいけないこと」ことはないです。自分の状況に文句を言っていたら、会社が潰れてしまう。
将来もしかしたら、染料屋じゃなくなってるかもしれないと思っています。なぜなら、専門家も時代に応じてお客さんに必要とされる仕事に変わっていかないといけないと考えているからです。

「染料屋」って言ってしまうとできることが限定されてしまいます。染料とか染めるということから範囲が広がって、色を扱う会社として「カラーカンパニー」になっていくといいかなと思っています。

今、会社はちょうどスクラップアンドビルドの時期に入ってきたところです。これまでは何でも自社でやろうとしていたんですが、「自分たちの手間のかからない、やり方があるはず!」ということを模索しています。そして作業時間を減らして、企画や販売に時間を割けるように組み立て直しています。

画像3を拡大表示

「2週間に一回のプレスリリース。」

メディア発信に力を入れてから、各方面からお仕事の話であったり、事業の相談事、染色に関するお悩みなどお問い合わせが増えました。2ヶ月に1度は必ずプレスリリースを出しています。プレスリリースを出すということを決めてから、それに合わせて企画を出しています。例えば、インターンシップを受け入れて広島の魅力を発信する「ご当地色」をつくってプレスリリースに出したり。

なぜこういうことをするかというと、商品を作ってすぐに売れればいいんですけど、「つくって、売って、広める」までしないと売れないからです。100件プレスリリース出して1件取り上げてもらって…というのを繰り返し続けています。
そのため、うちのスタッフは顔出しOKな人でなければ採用していません。それくらいメディア取材が重要だと思っています。

画像2を拡大表示

「必要とされること」

この仕事をしていて嬉しさを感じる時は、自分がやっている取り組みに共感してもらえた時です。実は、入社した時に「必要とされていない」と感じていました。自社の会議の時にかけられた言葉であったり、お得意先に業者扱いされたり・・・そんな状況から始まりました。
でも今は、インターンが来てくれたり、新しい取り組みをみんなで一緒にやろうと人が集まって来てくれます。

まだ成功者ではありません。これから社内の古い事業を閉じて、新しく事業を組み立て直し、本気のスタートです!そのために仲間が集まり、クリエーターに賛同してもらうことが必要です。コツコツやっていきます!

画像4を拡大表示

岩瀬商店株式会社
https://www.iwase-shoten.co.jp/
広島県福山市胡町2-6
TEL 084-923-0655 / FAX 084-923-7601

CONTACT お問い合わせ・ご相談