職人文化人類学

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「ガラは悪いが、腕は良い。」行脚〜カッコイイは世界を救う〜

2018/9/28 職人行脚 Writer:仕立屋と職人 イシイとワタナベ

witter:ワタナベ

うちの車、「仕立屋号」は軽バンです。
軽バンで長距離(高速道路)を走っていると最近思うのです。

走りながら、車のパーツがどんどん外れていって
気づいたらハンドルと座席しか残っていない、
みたいなことが起こりそうだな、と。

そんな頑張ってくれている仕立屋号で
今回は富山県高岡市まで行ってきました。

仕立屋の作業場からだと北陸地域は近い気がしています。

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行ってみたかったのです。
高岡伝統産業青年会が主催する
高岡クラフツーリズモ

「ガラは悪いが、腕は良い。」

高岡伝統産業青年会のキャッチコピー?
あたしは、このコピー、瞬殺で心を鷲掴まれました。

富山県高岡市は高岡銅器、高岡漆器の生産が昔から盛んです。
今もなお分業体制でこの伝統工芸を生み出し続けています。
なので、この生産に関連する職人たちが
高岡にはたくさんいるのです。

その中で、高岡伝統産業青年会とは
鋳物屋、着色屋、螺鈿屋、問屋、様々な業種の
若手職人たちが集まった集団です。

こんなに若手がアツイ地域はなかなかないぞっ!
と思いあたしが注目している地域の一つ。

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なぜ、そもそも高岡に行ったかと言いますと…

高岡は小学校、中学校の授業で
ガッツリと伝統工芸に触れる授業がある、
それを10年以上前から続けている、
高岡市自体が職人育成に力を入れている、
という噂を聞きつけ
高岡で働いていた友人にお願いして
以前、高岡の職人を紹介してもらったり
小学校の授業を見学させてもらったり
そんな素敵な機会をつくってもらいました。

その時会った職人たちが
超かっこよくて、イケてて、素敵な方達で
その職人たちが企画する
高岡クラフツーリズモには何としても
参加せねばっ!と目論んでおり
遂に参加できた、という…
前置きがとても長くなってしまいましたが、
そんな経緯で高岡に行ってきました。

いざ、参加!

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今回コースが2つあり
Aコース
「その場で発注⁉︎伝統産業商談・開発コース」
Bコース
「その場で加工⁈伝統産業実演・体験コース」

ほんとは両方のコース参加したかったのですが
あたしはBコースに参加!

実際にミニミニ香炉を仕上げながら、問屋が回る順で
自分の香炉を完成させていくというコースです。

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まずは香炉の表面を整えます。
行ったところは atelier山道 さん。

金工作家の青木さんがやっている工房です。
生き物をモチーフにした作品を鋳金、彫金、鍛金を駆使し
原型から仕上げまで行うというマルチプレイヤー

金属とは思えない柔らかい動きの作品を作り出します。

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此処であたしは、香炉を削り磨き叩きます。
もう、この時点で腕はプルプルです。

(この時点の香炉を写真撮っておくのを忘れた…
熱中しすぎて忘れた…あたしのそういうところ毎回反省。)

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次は着色屋の色政さん。
磨いた香炉に色をつけます。

色政さん、技術がすごいのですっ!!
金属を化学変化させて色を作り出したり、
実際に泥を混ぜて色をのせたり…
金属を超ピカピカにもできれば
何百年前のもののような色も表現する
色のエキスパート

上にのせた写真のイラストを見ると
イカつそうじゃないですか?
4代目野坂和史さんも3代目のお父様も
近寄りがたい職人像を完璧に払拭させる
そんな素敵なお二人です!!!!

以前もお邪魔させていただいたことがあり
その時も熱いパトスなお話をさせていただきました。
もう、最高。

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そして、あたしは香炉片手に
「ここからグラデーションで、
あーしたい、こーしたい、ここは…」
止まらない欲。

そんな欲を一緒につくってもらった色がこちら↓
あー…可愛い。

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この香炉を持って次にいくところは…

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武蔵川工房さん。
高岡漆器に螺鈿を施す職人です。

武蔵川工房さんは、
鮑の貝使う「青貝塗り」という中心に
漆器という枠を超え、ガラスや現代アート、
現代のライフスタイルにあったものに
螺鈿を施す!そんな挑戦を続ける
次世代を担う螺鈿師

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本当にすみません…と、思ったのですが、
あたしの人生で出会ってきた螺鈿って
お箸の装飾部分くらいなもので…

ここで見せていただいた螺鈿の色の美しさたるや。
ただ、ただ、感動です。

0.07〜0.1mm厚の薄い貝を使って、
貝がこんなにも美しい色を放ち、
貝でこんなにも繊細な絵を描くことができるのか!
と。

出来上がった香炉はこちら↓画像

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お金をかけて時間をかけて体験するということ

直接現地に行ってそこで体験させてもらう、
この経験の一番の面白みって「生」である事!
だと思っております。

あたしはミュージカルが大好きなのですが
これがDVDで見たり、音楽だけCDで聴いたりするのと
生の舞台を目の前にして、作品を鑑賞するのでは
全く感動指数が違います。
同じ空気の中にいられる、生の舞台はワクワクします。

この感覚と同じだなーと思っています。

つくっている職人と会えること。
どうやってつくられているか、
どんなもの使ってつくられているのか。
どんな思いがそこにはあるのか。
それを生で体感できる。

たった一つの表現の中に秘められた技術を知ると
作品と出会った時の感動が何十倍にも大きくなります。

感動指数高めな生の経験をすることによって
自分の経験の幅が増え、素敵だなとか、感動するとか、
そういった心が震える瞬間が増えていくと思います。
自分本位の体験こそが心フルフル連鎖のスタート地点!!

出会わなければ、知る事のなかった
心の引っかかりポイントが増え、
世界と自分の間のフックも増え、
とても豊かな生活になると信じています。

そんな、時間を買うという体験を改めて感じた1日でした。

この高岡クラフツーリズモは
様々な業種の職人たちが集まっている
高岡伝統産業青年会が主催しているからできること。

この垣根を超えた団結力が他の地域にも波及していったら
日本の地方はもっともっと面白くなっていくだろうな感じております。

また、行きます、高岡。

あ、本当はこの後、
越中福岡の菅笠の制作現場にも行ってきたのです!!
今回の記事に収まらなかった…
後日書きたいな…
というか、
菅笠つくりたいからつくったら書こうかな…

なので、やっぱり行きます、高岡。

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