金髪女とヒゲロン毛が行く!〜仕立屋と二万頭の蚕達の繭〜15日目
witer:ワタナベ
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※今回は天に召された蚕の姿がチラチラと
垣間見える写真がございます。
虫が苦手な方は気合いを入れてご覧ください。
全てが綺麗な繭をつくれるわけではない、
という現実を知っていただきたく掲載させていただきます。
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遂にこの日がやってきてしまった…
そう!二万頭の蚕達の繭を採る!
(この時点で命を落とした子達もいるので
二万頭はいないと思われますが…)
この緑色の四角い機械を使います。
その名も「まゆエース」!!!!
どう使うかと言いますと…
蔟(まぶし)の一部屋ずつに入っている繭を
押し出していき、下に繭が落ちてくる、
といった仕組みになっています。
そして、空室になった蔟をみんなで綺麗にしていきます。
↓動きが早くて手元がブレていますが
犬猫の毛を綺麗にするようなブラシで
蔟についた糸をとっていくのです。
このブラシで取りきれなかったら、手で取ります。
全てが綺麗に糸を吐いて繭として使えるわけでもないのです。
繭をつくっている最中に命が絶える子達、
綺麗な繭をつくれなかった子達、
繭さえもつくれなかった子達もいます。
その中から元気に生き残ることができて
繭をつくれたもの達だけが生糸になれるのです。
採れた繭を重さを計ります。
まるで、ボクサーの計量。
または、「魔女の宅急○」のキキが
宅配物の重さを計っている姿を彷彿とさせる計量機です。
おおおおおおおおお。感動。
真っ白で綺麗な繭が採れました。
中にはまだ蛹が生きています。
この中に手を入れると生暖かいのです。
この一ヶ月程、
蚕ハウスの中いっぱいに
蚕の存在を感じていたのですが
片付けてしまうと、こんなに広かったのと。
このハウスのように
蚕がいなくなってしまって
私の心もポッカリです。
↓まだ繭をつくり途中の子たちもいます。
成長がゆっくりだった子達です。
この子達は後日、まゆエースに入ります。
今回の繭の重さは去年より少し減ったそうです。
桑の量や、様々な要因の
ちょっとの違いだったりするとのこと。
相手は生き物です。
絶対の基準はありません。
その中で、天気を見て、蚕の様子を見て
みんなで力を合わせて蚕を育てているのです。
こうやって養蚕の過程を見れるということは
今の時代なかなかありません。
今、これがここの地できていることのは
大音の方達がいるからです。
これを続けることは容易ではありません。
だけど、人の手じゃないとつくれないものがあります。
養蚕する人たちも減ってきています。
それはやったところでお金にならなかったり、
手間ばかりかかったり、
化学繊維が当たり前になっていたり、
日本以外の国で養蚕をしていたり…
ここまで密着取材を終わらすつもりはありません。
なぜ、人が手間暇かけて育てた繭が必要なのか、
なぜ、機械ではなく手で糸取りをするのか、
機械と手の何が違うのか、
そして、ここの繭達がどこへいくのか…
引き続き金髪女とヒゲロン毛が行くシリーズを
どうぞよろしくお願いいたします。
そして、協力してくださった
大音の皆々様!!!!!
本当にありがとうございました!!!
ラブユー!