職人文化人類学

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ヒゲロン毛が行く!〜仕立屋と二万頭の蚕達と快適空間24時〜9日目

2018/6/13 職人文化人類学の実践 Writer:仕立屋と職人 イシイとワタナベ
witer:石井

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※記事が進むにつれ拡大蚕と集合蚕の写真が出てきます。
虫が苦手な方は気合いを入れてご覧ください。
個人的にはアップで見るとオームに見えなくもないので、
風の谷からきたと思ってご覧いただければ幸いです。
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金髪女 a.k.a ワタナベユカリからバトンタッチ受けました、
帰って来たヒゲロン毛です。
一週間東京へ出稼ぎに行ってました。
帰って来たら、蚕たち、トンデモナイでかさに成長してました。
久しぶりに娘に会った心境ってこんな感じでしょうか。
まぁ、娘も息子もいないからわかんないけど。

と、いうわけでいよいよチリメンジャコみたいだった二万頭の蚕たちも
立派にウネウネしてきました。
金髪女もお蚕ちゃん推しだし、かくいうヒゲロン毛もイモムシを採って遊ぶ
幼少時代を過ごしたため全く抵抗はないですが、
たぶん苦手な人は苦手なんだろうなぁ・・・とも思います。
ので、無理して読み進めないでくださいね。
僕らはあなたがフォロワーから去っていく方が悲しい・・・

では早速参ります!いきますよー!

さて、もうすぐお蚕さまたちがマユをつれるくらい
大きく育って来ました。え、この日記まだ9日目じゃん・・・
おなじみ*当社10円玉比較でいうとこんな感じ↓

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昨日に比べ、10円玉2.5枚分くらいになってます。

だって、こんだけ入れた桑の葉が
ものの5,6時間でこんなになってしまうんですもの。

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Before                                                  ⇨              After

当然、これだけいたら
おっきいのも、ちっさいのも
ふとっちょのも、やせっぽっちのも
元気なのも、おとなしいのも
たくさんいるわけです。

これだけびっしり詰まってると、マユをつくるまでに
相当な個体差が出てくるため、お引越しします。というか増築か。
↓この二頭、同い年です。

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広いお部屋に引っ越した彼らは、もう少し大きくなります。
そしたらいよいよ、マユをつくる準備に入るわけです。

ちなみに、お蚕さまたちにゴハンをあげる時、
葉っぱの表が上に、裏が下に向くように敷いてあげないとダメなそうで。
お蚕さまは天に向かってのぼってくる習性があるので、
葉っぱの表側(ツルツルしてる方)が下に向いてるとうまく掴めなくて
のぼって来れないんだそうで。

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そして極め付けに、温度・湿度管理。
室温24度、湿度50%、ニコちゃんマーク。
これがスクスク育つ一番いい環境らしい。
これより暑けりゃ扇風機を、これより寒けりゃストーブを。
「だって人間もこれくらいが過ごしやすいじゃない。」
と、お母さんたち。
特に決まった数字はないらしいが、長年の感覚なのだろう。

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ちなみに、24度、50%はどれくらい快適かというと、
ハワイの平均気温と、湿度はカタールのドーハと同じくらい・・・
(よくわからない)
快適に過ごせる湿度の数値は50%とのことです。
(長浜市の沢田さん、情報拝借します。)

しかし、育て方より印象に残ってるのは、
世話をしているみなさんが
「がんばってたくさん食べて大きくなりなさいよ〜。」
「ほら、おいしそうだね〜。」
「あら、こいつはまだちびっちゃいね。負けたらいかんよ〜。」
と、まさに子どもに語りかけるように愛情を注いでること。
そうまさにここは子ども部屋。二万頭の蚕の。

そしていよいよ!来週には例のアノ装置にお蚕さまたちは移動します!!
よくこんな装置考えたな・・・というアレです。
みなさま、ピタゴラ装置をお楽しみに。

そうしてこの快適空間は
マユがとれるまでの24時間、保たれているのでした。

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