金髪女が行く!〜仕立屋と二万頭の蚕達と悟り〜5日目6日目
witer:ワタナベ
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※記事が進むにつれ拡大蚕の写真が出てきます。
虫が苦手な方は気合いを入れてご覧ください。
あたし的には愛おしく可愛いので掲載させていただきます。
といいますか、絹がこれなんだ!という現実を是非見てください。
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タイトル見て、
「今日の記事大丈夫かよ…」
「啓蒙活動みたいなこと始めようとしているのか…」
と、お思いでしょう。
まぁ間違ってはいません。
日々蚕達を見ていたら何千年も前から
葉っぱを食べて繭を作り続けている、それを想像したら
神秘的でたまりません。
仏教の禅では、こんな教えがあるそうです。
「同じことの繰り返しをつまらないと思うのは、自分の心が貧しいからだ」
と。
そう思うと、蚕は人生をものづくりにかける職人のようです。
桑を食べ続けた先に、美しい絹を生み出すのです。
そして、蚕の生命の恩恵をあたし達が授かっているのです。
宗教の話をしたいわけではありません。
蚕の生き様の話です。
さてさて、蚕達の様子です。
上の写真は昨日6月9日の蚕です。
遂に!遂に!4cmを超えました。
日々の成長の喜びーーーー!!!
この日は違う桑畑に桑を取りに行きました。
トラックに載せるくらい大量に食べるお年頃です。
まだまだこれからがもっともっと食べるようになるとのこと。
蚕達の近くによってだけで「ムシャムシャ」と
食べてる音が聞こえるのです。
それが、なんと今日行ったら「眠」に入っていました。
下の写真は6月10日の写真。
みんなが、頭をあげているのがわかりますでしょうか??
この形のまま「眠」に入っています。
ムシャムシャ桑を食べていた音が一切しないで
時間が止まったみたいな感じです。
みんなが一斉に寝ているのです。
ちょっと異様な感じもします。
人間でいったら腹筋背筋が鍛えられそうな角度ですね。
そして、蚕の表面がまるでホワイトチョコレートで
コーティングされているみたいに見えて美味しそう。
もうちょっと体が短かったら完全にオームです。
風の○のナウ○カのオームです。
顔がそっくりです。というかほぼ同じです。
オームは黄色い触手みたいなのを出しますが、
この個達は美しい繭を出します。
そもそも「眠」とはなんなのか。
あたしの手書きのゆるキャラ蚕の図でご説明させていただきます。
蚕は孵化した後、眠と脱皮を4回繰り返して成長していきます。
(この回数は蚕の品種によっても異なります。)
桑を食べて、寝て、起きて、脱皮をする。
これを繰り返します。
そして、脱皮が終わるごとに桑の葉を食べる量が
どんどん増えていきます。
4回目の眠を過ぎたら繭を吐く準備に入ります。
着物はどれくらいの繭が必要か知っていますか?
着物一着をつくるには繭が約3000個必要だそうです。
繭が3000個てことは蚕が3000頭必要ということです。
そのためには桑の葉が約100kg必要。
数字にしてみると驚愕です。
絹が高価な理由の一つでしょう。
絹製品は大量の蚕達の命のおかげで出来上がっています。
絹の性質はとてもいいものです。
(絹の性質についての詳細記事、今度書きます。)
だから、大事に扱えば、長く着れます。
みなさんが着ている洋服の製品表示のタグを見てみてください。
絹のものはありますか?
もし、絹の洋服を持っていたら想像してみてください。
「この洋服には何頭の蚕が頑張ってくれたのだろう」と。
そうしたら洋服をもっともっと大事に、
そして、もっともっと長く着る気持ちになってもらえたら嬉しいです。
早く、脱皮がみたいなー♡