職人文化人類学

サムネイル

ワタナベが仕立屋でやること。

2018/4/17 徒然なる仕立屋 Writer:仕立屋と職人 イシイとワタナベ

witer:ワタナベ

花粉も収まりかけのこの季節。
仕立屋の作業場がある、此処木之本。
まだまだこたつが片付く気配がしない。

冬が…長い。

先月末の未来会議まで駆け抜け、
やっと心も考えも落ち着いてきた今日この頃。

長浜に引っ越してきてから怒涛のように人と出会い、
瞬きしたら一ヶ月が終わっているという日々。

わたしたちじゃなきゃできないこと

わたしたちだから
見えること言えること伝えられること

が、置いてきぼりになってしまっていると感じて、
それでは、いけないっっっ!!!!!

職人の生き様仕立てます

あたしたちはこれをやっている。

画像を拡大表示

よく、いろんな人たちに
「どうやって、お金にするの?」
「事業として成り立つの?」
と聞かれている。

そりゃ、夢物語だけ言ってたって
美味しい米は食べられないし。
好きなビールは飲めない。

そこそこのオトナが夢見る夢子状態を
みんなの前で言ってもいられない。

でも、わたしたちが1年後にでも
デッカイ金の流れを生み出すことは
本音を言えば、無理でしょう。

その専門家に頼んだ方が確実。
餅は餅屋ってやつですね。

だからと言って事業として成り立たせなければ
仕立屋と職人はやっていけない。

オォ。
ナンテコッタ。

でも、今あたしが伝えたいのは
「どうやって事業化するか」
を理屈で言いたいのではなく、その前の
「何故やるか」ってところ。

まず、あたしが抱いているのは
職人への最上級のリスペクト。

一代では築くことの出来ない歴史
人生をかけた仕事
守り続けられた技
そこから生まれる職人の哲学

本当にかっこいいと思っている。

だからこの職人の生き様を
もっと多くの人と共有したい。

「誰のためにやるの?」と聞かれたら
一番の理由はわたし自身のためかもしれない。

何故なら、そんなことを職人に求められなくたって
わたしがしたいのだから。
職人の世界をもっと見たいのだから。
だから、できるだけ多くの職人に会いたい話したい。

「職人になればいいじゃない?」と聞かれたら
わたしは伝道師として
外から見たあたしの目で職人の世界を見て
わたしの言葉で職人の生き様を伝えたい。

仕立屋と職人のメンバーがそれぞれの観点から
職人の世界を伝えられたら
一つの世界に様々な解釈ができる。
だから、わたし一人じゃなくて
仕立屋と職人としてやりたい。

もしかしたらこれから出会う職人が
長い歴史に幕を下ろす場面に立ち会うかもしれない。
「そんなことしないで、辞めないで!」
なんてことは絶対言えない。

わたしが家を継げるわけでもない。

だったら、一緒に最高の引き際を仕立てたい。

全ては職人への最大級のリスペクトを最大限に表現するため。

職人の生き様だけ広げたって
その家の売り上げにはなかなか繋がらない。
モノだけ売っていたって
職人の生き様はなかなか伝わらない。

でも、絶対に両方必要だ。

だから、この気持ちを理解してくれて
協力してくれる人たちが必要だと思っている。

モノに生き様がセットとなって商流にのり、
手に取ってくれた相手にしっかりと伝わるために。

これは
仕立屋と職人のワタナベの熱いパトス。
他のメンバーはきっと違う熱いパトスを抱いている。

今日はワタナベの止まらない思いを書き綴ってみました。
長い長〜い記事にお付き合いありがとうございました。

写真は先日の長浜で行われた
曳山祭りの裸参りの様子。

CONTACT お問い合わせ・ご相談