職人文化人類学

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【長浜】組合の理事会にヒゲロン毛が来た!

2018/2/19 職人文化人類学の実践 Writer:仕立屋と職人 イシイとワタナベ

witer:石井

少しずつ読んでくれる人が増えて来たこの日記。
Facebookもインスタもいいけど、インターネット繋げば気軽に読める、
こんなことあったんだね〜くらいの感じがちょうどいい日記。

ついにこの日が来たか。
浜縮緬工業協働組合。略してハマコー。
組合の理事会に突如現れたロン毛でヒゲの怪しい男。
今まで相見えることはなかったであろう宇宙人。
そう職人たちには映っていたカモしれない。

こっちだって、組合に、しかもたくさんの職人たちに
プレゼンをするのは初めてだ。
できる限りの資料をこしらえて、出発。

伊吹山を背に、車を市街地から少し走らせると、
四角い白くて無骨な建物が見えてくる。

まず出迎えてくれたのは組合の職員さんたち。
やっぱり仕立屋と職人は何をする輩なのかわかりづらい・・・
ここは資料なんて頼らず熱弁だ!
思いの丈を話す。
ヨソ者がみた浜ちりめんの技術、江戸時代以前から続く歴史、職人の哲学。
どれも少し入り込まなければ見つからないものばかり。

ようやく少しご理解いただいた(希望)ところで、
会議室に通される。

そこには、これまでお世話になっている吉正織物工場の吉田さんと
南久ちりめんの長谷さんが理事長・副理事長席に座っていてホッとする。
少し前までは緊張して会ってたんだけど・・・
お互いに思ってることを交換していくうちにその壁は薄くなったようだ。
少なくとも自分側は。

続々と組合員、つまり浜ちりめんの職人が入ってくる。

(おぉ・・・みなさん職人っぽい・・・)

そう思った。この言葉にはこれ以上もこれ以下の意味はない。
ただ、今まで話して来たどんな”クライアント”とも違う雰囲気があった。

「お忙しい中、貴重なお時間割いていただきありがとうございます・・・」
おぉ、いつになくカタイなォィ。自分で思った。

そこからはこしらえた資料に沿って、仕立屋と職人を紹介していく。

どんなやつらなのか

なんで伝統産業に目を向けたのか

なんで浜ちりめんなのか

これからどうしていくのか

途中で話していて気づく。
おれ、しゃべりすぎた。
情報を盛り込みすぎた。
字が多すぎた。

これは相手に届くプレゼンか?

資料は飛ばし、職人一人ひとりの目を見て話しはじめた。
最初、なんやわけわからん、と思っていたであろう
雰囲気が少しずつ変わって来た。

↑当たり前っちゃ当たり前だけど、東京にオフィスを構える企業と職人へのプレゼンが同じもので伝えられるわけがない。これを気づかないうちに見失ってた。

終わってみれば、これから一緒にやっていくことに対して
質問もしてもらえたり、なんで木之本なの?と少し反れた話しをしてみたり。
吉田さん、長谷さん、吉井さんの後押しもあって、
前向きにご協力いただけそうな感触で終わった。
少なくともヒゲとロン毛は怒られなかった。
(少し心配してた)

かつて185万反の生産量を誇っていた浜ちりめんは
現在3〜4万反にとどまっている。
故に伝統産業を生業にして残る企業は組合の中に12社のみとなった。

250年余り続いた伝統産業が岐路に立っている。
大切なものを守りつつ、できるだけ多くの仲間を増やして舵を切りたい。

目前に次なる仕掛けが待っている。
その準備に精を出しつつ、
そろそろ確定申告しなきゃ・・・あぁ・・・

(あ、今日はなんの写真もありません。緊張してました。)

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