職人文化人類学

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ブレイクスルー前夜。〜職人文化人類学になぜ行き着いたのか〜

2021/2/12 職人文化人類学の構築 Writer:仕立屋と職人 イシイとワタナベ

職人文化人類学の旗揚げをたくさんの方に読んでいただき、反応をいただき、嬉しい限りです。ありがとうございます。ミドリアタマの派手なオンナが大学で登壇したからなのか、職人文化人類学という漢字7文字の強さなのか、どちらにせよインパクトは大事にしていきたいと思います。

さて、今日はなぜ「職人文化人類学」に仕立屋が行き着いたのか。暗闇での迷走と、職人文化人類学という言葉に出会った時のトンネルにさした一筋の光!そんなお話を記録しておきたいと思います。ぜひお付き合いを。

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仕立屋は何屋なの?という話

今年で我々、仕立屋と職人は結成して4年目になります。昨年の夏に法人化して株式会社仕立屋と職人になってからは、半期になります。いわゆるスタートアップですが、ステージが変わり仕立屋という舟は大きく揺れることとなりました…あんなに自信満々に色々語っていたのに。スタートアップ劇場の始まりです。少しだけその話をさせてください。

これまでの4年間、職人の方々はもちろん、自治体や教育機関、企業と色々やってきました。

商品開発、パッケージやウェブのリニューアルデザイン、ワークショップ、イベント開催、ツアー、展示ブースデザイン、インターン、クラファン…etc

本当に色々です。

仕立屋メンバーは4人それぞれが違うスキルを持っておりふだん属しているグループもちがう。同じクラスだったら話さない?(そんなことはないか)だからこそ色々とできた。と思います。

2年目に差し掛かるくらいから、仕立屋さんは何屋さんなの…?と言われるようになったのをなんとなく覚えています。色々やっているが故に、外からはよくわからない実態になっていたのです。

職人の生き様仕立てます!と謳っていたのを「何で仕立てんの?」という具体性をそろそろ持ち始めた方がいい、そんな雰囲気が仕立屋4人の中でも流れ始めました。

リサーチ、やります。
デザインもディレクションも、やります。
自分たちで表にも出て、話もします。

これまでの方法や色々やった実績をまとめて、法人化しました。
そこで、「何屋なの?」という据わりの悪さが露呈してきます。
それは、法人化したからには食っていこう!→じゃあ、同じようなフィールドで活躍している他社と比べて自分たちは何がスペシャルなのかちゃんと見直そう。このことをちゃんと考え始めた時です。(必要なことだと思います)

そうした時、自分たちにはコレです!と言える強烈なパワーワード、というか強靭な背骨というか、そういったものがないことに気がつきました。

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ふかーい、ふかーい、スタートアップの森に迷い込みました。

職人の生き様をなぜ仕立てたいのか、
その先にどんな世界を思い描くのか、
自分たちの横串となるものはなんなのか。

なんども根元から考え直し、なんども同じ話合いをすることが増えていきました。とにかく、横串となる1ワードを探しまくりました。

しかし、その1ワードをひねり出しても、その時は納得していても後から「やっぱなんか違うな…」となってしまう。なぜならその内容よりもその言葉にこだわっていたからかな…と今になって個人的には思います。

一度、事業計画や収益性から離れ苦労を買ってでもしたいことは何か。
足並みが乱れ、疲弊感も漂う中、解散覚悟で考える時がきました。

その時は突然に!一言のワードが導くブレークスルー前夜という話

突然ですが、みなさんは仕事をするとき、何を大切にしていますか。

就職面接みたいなカタイことを言いましたが、僕は「早く聞かせたい!早く見せたい!とお披露目したいほど楽しんでいる瞬間」だと思っています。

一度、そんな楽しい瞬間 X 自分たちが得意なことだけをイメージしながら、仕事(生業)としてやっていきたいことを考えてみることにしました。

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思うままに壁打ちを繰り返しながら書きなぐっていきます。なんども繰り返し行なった作業ですが、今度は違いました。一旦、事業性・収益性を横に置いたのです。すると以前どっかで一瞬出たけど素通りした言葉が再浮上し、手が止まりました。それが職人文化人類学でした。

「職人の凄さを目撃する喜び」や「そこへ飛び込み関係を築くことの楽しさ」や「伝えるていくためのDNAを分析して整理してアウトプットすることの納得感」すべてが横に並んだ時に、これは1つのセオリーになるのではないか…?そう思ったのです。

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(▲今までの流れはこんな感じです。もちろん、その時々で全部やるわけではないですが…)

うちには研究者肌のオタクリサーチャーがいて、ホームレス体験や村暮らし体験等をしてアウトプットするデザイナーがいて、その散らばったアイデアを高速回転で整理して一本筋にするプロデューサーがいます。この形自体、オリジナリティがあり、(デザインでも商品でもサービスでも)つくる時に必要な形なのではないか…そしてそれをもっと色々な人と実践できたら!そう考えると職人文化人類学がとてもしっくりきたのです。そして職人にまつわる1つのセオリー、学問を立てるということにとてつもなくワクワクしました。

ではなぜ、職人科学でもなく職人帝王学でもなく、職人文化人類学なのか。
という話になります。

次の回は、なぜ職人文化人類学なのか。
そんな話を書き留めていきます。
乞うご期待!

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