すみからすみまで墨のおはなし

すみからすみまで墨のおはなし
社名 錦光園
エリア 奈良県
創業
住所 〒630-8244 奈良県奈良市三条町547
WEBサイト https://kinkoen.jp/workshop/
背景 古都、奈良県で七代に渡り固形墨の”奈良墨”をつくり続けている錦光園。全国でも固形の墨を製造する工房は両手で数えるほどになってしまった。

「墨を磨る」という機会が徐々になくなっていく昨今に、「分かりずらい墨の魅力を分かり易く伝え、衰退していく墨作りの産地を守る」ことを目的とし、「奈良墨の案内役」になるとして、墨作りだけではなくワークショップや取材・記事執筆など多岐にわたる活動をしている。

CREDIT

クライアント|錦光園
ワークショップ企画|石井挙之
ウェブページライティングサポート|石井挙之
現地企画サポート|教育魅力化コーディネーター 太田幸輔・山のこども園 うしのしっぽ・津和野町立日原小学校
撮影|石井挙之・太田幸輔

墨の魅力を伝える全国行脚「すみからすみまで墨のおはなし」

現在、小学校の書道の時間でも「墨を磨る」機会が激減しています。
その要因として、「墨汁の準備や後始末が楽だから」、「教えられる先生(大人)がいない」などがあります。

この全国行脚は、錦光園七代・長野睦さんの数か年計画プロジェクトとしてスタートしました。
固形墨を製造する数少ない工房として、需要を増やすためにはまず「墨を磨ることの魅力」を伝えていくことが大切です。
これまでクラウドファンディングや学校でのワークショップなど多岐にわたる挑戦をしてきた長野さんの
新しい挑戦として、各地で「墨を磨る」ことにフォーカスした企画を一緒に立てて行きました。

全国行脚をスタートさせる第一箇所めは、教育魅力化に取り組んでいることで有名な島根県津和野町。教育魅力化コーディネーター 太田幸輔さんの多大なサポートのもと、未就学児を対象とするこども園と、地元の小学校3年生に対してぞれぞれワークショップを行いました。

この全国行脚「すみからすみまで墨のおはなし」は、愛知、埼玉、東京とこれから全国各地で開催されます。

墨を拾ってきた石で磨る

「書道」や「墨を磨る」と聞くとどこか型式張ったカタさを感じてしまいます。ちゃんとした所作でこなさないと怒られてしまうんじゃないだろうか…キレイな字を書かなくてはいけないんじゃないだろうか…まずはそのイメージから取り払い、墨を磨ることだけを全力で楽しんでもらう内容を組み立てました。

未就学児には、固形墨が固まる前の、やわらかいブニブニの状態の墨を渡し、手や足や草木で自由に描いてもらいました。その中で墨はどうやってできているのか、黒色はどうやって変化していくのか、そういった原体験につながるような話を錦光園・長野さんから子供たちに直接お話しされました。

*1 芸術士とは…芸術の専門知識を教えるものではなく、日頃の遊びや身近なものを題材としたアート活動を通して感性と情緒を豊かにし、自ら学ぶ子どもを育てることを目的とした、地域おこし協力隊の制度内のポジション。津和野町には2022年現在、2名在籍。

小学生は書道の時間で墨に触れています。墨を磨る経験がある子はクラスにわずかひとりでした。
墨を磨る石を河原で拾ってきて、その磨り心地の違いや、色の違いを感じながら思い思いの表現をしてもらいました。
その後には、津和野町に所属している芸術士(*1)の方々とコラボし、地元の石舟和紙と墨を使って絵を描いてもらいました。

この企画サポートは、中小企業119(*2)の制度を利用しています。ご希望の事業者様や自治体様には当制度での専門家派遣も対応させていただけますので、お気軽ご相談ください。

*2 中小企業119とは…中小企業などの事業者が抱える経営課題について、それぞれの課題に対応した専門家を派遣してその解決を支援する、中小企業庁の事業

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